2019年8月23日 (更新)

特定活動(本邦大学卒業者)

これまでの就労ビザの課題・問題点

 

一般的な就労ビザは「技術・人文知識・国際業務」というビザですが、基本的に飲食店での接客などを行うサービス業や、工場での製造業務などを主な業務内容とすることは認められていません。

そのため、日本の大学 (大学院) を卒業した留学生の中には、就職先が見つかったのにもかかわらず、就労ビザを取得できずに帰国してしまう人も多くいました。

 

日本の大学で専門的な知識や技術を身につけていて、日本語の能力も高い留学生は、実際には日本企業や社会において活躍が十分に期待できる存在であることは間違いありません。

 

日本は労働人口の減少などの問題を抱えていることもあり、優秀な外国人を雇用したいニーズはとても大きいものがあります。

しかし、日本人の学生と同じような感覚で採用・就職活動を行なっていると、ビザの壁にぶつかってしまい、企業の人事担当者や留学生から、どうすれば就労ビザが取れますか? と相談を受けることもありました。

 

そのような状況の中、20195月になってようやく、法務省告示 (特定活動告示) の一部が改正され、留学生の活躍の機会が広げられることが決まりました。

 

改正によって何が変わったのか? (新しい制度の概要・趣旨)

新しい制度の概要:

日本の大学卒業者が日本の公私の機関で、大学などで学んだ知識や身につけた能力と日本語能力を活用することを要件として、幅広い業務に従事する活動を認めるもの。

「技術・人文知識・国際業務」で認められていない、サービス業務や製造業務に従事することも可能。

ただし、風俗関係業務に従事することは認められません。

 

対象:日本の四年生大学を卒業、または日本の大学院の課程修了した留学生

(短大卒は対象から除かれています)

 

与えられる在留資格(ビザ):「特定活動 (本邦大学卒業者)」

 

在留資格 「特定活動(本邦大学卒業者) 」の要件

日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務を含む幅広い業務に従事することを希望する場合

 

1. 日本の年制大学を卒業、または日本の大学院の過程を修了して、学位を授与されていること

(※短期大学・専修学校・外国の大学や大学院は対象外です)

 

2. 日本の大学、または大学院で修得した知識や能力などを業務で活用できること

業務内容に、従来の一般的な就労ビザである「技術・人文知識・国際業務」の対象となる一定水準以上の業務が含まれていること。

または、今後、そのような業務に従事することが見込まれること。

 

3. 日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務であること

OK:「翻訳・通訳」の要素のある業務や、他者との双方向コミュニケーションが求められる業務であること

NG (このような業務はダメ!):作業指示を受けて、理解して作業を行うだけの受動的な業務

 

4. 日本語の能力が高いこと (次のA、Bどちらかを満たすことが必要)

 A. 日本語能力試験N1、もしくは、BJTビジネス日本語能力テスト480点以上

 B. 大学または大学院において「日本語」を専攻して卒業した方

   (外国の大学・大学院で日本語を専攻した場合も含みます。

ただし、その場合でも日本の大学・大学院 を卒業・修了している必要があります。)

 

・「日本語能力試験」:N1, N2, N3, N4, N55つのレベルがあり、N1が一番難しい

 

[日本語能力試験の HPより]

日本語能力試験N1

 

・「BJTビジネス日本語能力テスト」:0~800点で採点され、J5~J1+6段階のレベルで評価

 

[BJTビジネス日本語能力テストの HPより]

BJTビジネス日本語能力テスト

 

5. 常勤の従業員として雇用されること

パートタイムやアルバイトは対象になりません。

また、派遣社員として派遣先において 就労活動を行うことはできません。

 

※その他:契約機関が適切に雇用管理を行っている必要があるため、「社会保険の加入状況等」についても、必要に応じて確認を求められることがあります。

 

6. 報酬額が日本人と同等額以上であること

昇給面を含めて、日本人大卒者・院卒者の賃金が参考にされます。

次のA・B・Cを満たしていることが必要です。

 

A. 地域や個々の企業の賃金体系をベースにして

・同じ業務に従事する日本人と同等額以上か?

 

B. 他の企業の同じ業務に従事する者の賃金を参考にして

・日本人と同等額以上であるか?

 

C. その他

その外国人に実務経験がある場合、その経験に応じた報酬が支払われているか?

 

7. その他

・素行が不良でないこと

素行不良とは?

→ 資格外活動許可の条件に違反して、週28時間を超えるアルバイトを日常的にしていたような場合

 

・入管法に定める届出等の義務を守っていること

(在留カードの記載事項についての届出・在留カードの有効期間更新申請・紛失等による在留カードの再交付申請・在留カードの返納等の義務など)

 

具体的な業務内容の例

飲食店

店舗において外国人客に対する通訳を兼ねた接客業務を行う。

日本人に対する接客も含む。

※厨房での皿洗いや清掃にのみ従事することは認められません。

 

工場のライン

日本人従業員から受けた作業指示を、技能実習生や他の外国人従業員に対して外国語で伝え、指導する。

それとあわせて、本人も同様にラインに入って業務を行う。

※ラインで指示された作業にのみ従事することは認められません。

 

小売店

仕入れや商品企画等とあわせて、通訳を兼ねた外国人客に対する接客販売業務を行う。

日本人に対する接客販売業務も含む。

 ※商品の陳列や店舗の清掃にのみ従事することは認められません。

 

ホテルや旅館

翻訳業務を兼ねた外国語によるホームページの開設・更新作業を行う。

また、外国人客への通訳(案内)、他の外国人従業員への指導を兼ねて、ベルスタッフやドアマンとして接客を行う。

日本人に対する接客も含む。

※客室の清掃にのみ従事することは認められません。

 

タクシー会社

観光客(集客)のための企画・立案を行いつつ、通訳を兼ねた観光案内を行うタクシードライバーとして活動する。

通常のタクシードライバーとして乗務することを含む。

※車両の整備や清掃のみに従事することは認められません。

 

介護施設

外国人従業員や技能実習生への指導を行いながら、外国人利用者を含む利用者との間の意思疎通を図り、介護業務に従事する。

※施設内の清掃や衣服の洗濯のみに従事することは認められません。

 

 

在留資格 「特定活動(本邦大学卒業者) 」が認められると

 

申請内容にもとづいて、「指定する活動 (Designated Activity)」として就職先の機関(会社など)が指定され、「指定書」としてパスポートに貼り付けられます。

 

転職をする場合

 

転職等で勤務する企業が変わる場合には、指定される活動が変わるので、「在留資格変更許可申請」が必要です

同じ会社内での異動や配置換え等については、在留資格変更手続は必要ありません。

 

家族の滞在について

 

配偶者または子ども:

「特定活動」(本邦大学卒業者の配偶者等) の在留資格を取得できます。

 

ビザの変更申請に必要な書類

 

留学生など他のビザから→「特定活動」(本邦大学卒業者の配偶者等) への変更時

 

在留資格変更許可申請書 (以下のアイコンからダウンロードできます)

   永住許可申請書pdf版     永住許可申請書Excel版

 

・写真1 (縦4x3cm, 3ヶ月以内に撮影したもの。裏面に申請者の氏名記入。)

 

・在留カード (申請時に提示)

 

・パスポート (申請時に提示)

 

・雇用契約書、もしくは労働条件通知書のコピー

(申請人の活動内容を明らかにする資料)

 

・雇用理由書

様式は自由。

所属機関が作成したもので、所属機関名と代表者名の記名押印が必要です。

(雇用契約書に書かれている業務内容から、この制度に当てはまる業務を行うことが明らかな場合は提出不要)

 

・「卒業証書のコピー」もしくは「卒業証明書」(学位が確認できるもの)

(※転職による在留資格変更許可申請では不要)

 

・日本語能力を証明する文書

(※転職による在留資格変更許可申請では不要)

 

「日本語能力試験N1」または 「BJTビジネス日本語能力テスト480点以上」の証明書コピー

外国の大学で日本語を専攻した場合:大学の卒業証書のコピー、または卒業証明書(学部・学科などが記載されたもの)

 

・事業内容などがわかるもの

次のいずれか。

勤務先の沿革・役員・組織・事業内容・主要取引先との取引実績などがわかる資料

HPを印刷したもの

パンフレット・会社案内

登記事項証明書

 

 

ビザの期間を更新する時

 

在留期間更新許可申請書 (以下のアイコンからダウンロードできます)

   永住許可申請書pdf版     永住許可申請書Excel版

 

・写真1 (縦4x3cm, 3ヶ月以内に撮影したもの。裏面に申請者の氏名記入。)

 

・在留カード (申請時に提示)

 

・パスポート (申請時に提示)

 

・「課税証明書」と「納税証明書」

(証明書が取得できない期間については、源泉徴収票とその期間の給与明細のコピーなど)

 

配偶者や子どものビザを申請する場合

 

配偶者や子どもを海外から呼ぶ場合:在留資格認定証明書交付申請

 

今持っているビザから変更する場合:在留資格変更許可申請

 

在留期間を更新する場合:在留期間更新許可申請

 

 

・写真1 (縦4x3cm, 3ヶ月以内に撮影したもの。裏面に申請者の氏名記入。)

 

在留資格認定証明書交付申請の場合:

返信用封筒 (定形封筒に宛先を書いて、392円分の切手 (簡易書留用) 貼り付けたもの

 

・在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請の場合:

在留カード とパスポート (申請時に提示)

 

・扶養者との身分関係を証明する文書

A. 戸籍謄本

B. 婚姻届受理証明書

C. 結婚証明書

D. 出生証明書

(※ 在留期間更新許可申請時:これまでの関係に変更がなく、住民票を提出する場合は不要)

 

・扶養者の在留カードかパスポートのコピー、または住民票

(※パスポートのコピーを提出する場合:身分事項・在留資格・在留期間が記載されたページ)

(※扶養者と同時に申請する場合は不要)

 

・扶養者の職業と収入を証明する文書

A. 「在職証明書」

B.「課税証明書」と「納税証明書」

(※証明書が取得できない期間については、源泉徴収票とその期間の給与明細のコピーなど)

(※扶養者と同時に申請する場合は不要)

 

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